はじめに
オーストラリアでのシェアハウス生活は、家賃を抑える手段として人気ですが、文化や契約スタイルの違いから、思わぬトラブルに巻き込まれることも少なくありません。
今回は、私が実際に経験した「ボンド未返金のトラブル」と「ハウスメイトとの生活環境の違い」について紹介します。これから家探しをする方の参考になれば幸いです。
体験①:早期退去でボンド返金されない?!
ホームステイ後の一人暮らしに向けて、シェアハウスを探し始めた私。しかし、すぐに日本へ一時帰国する予定があったため、現地での内見ができなくなる前に契約を確定させる必要があり、かなり焦っていました。FacebookやFlatmate Finderを使いながら、数件内見にも行きましたが、なかなか気に入る家は見つからず難航…すると、少し市内へは遠いものの、写真で見る限りはとても清潔そうで家賃も安い家がありました。
この家の入居条件には「最低滞在期間は6ヶ月」と書かれていました。そこで、事前にコメント機能を使って早期退去の可能性について相談していました。そこで確認できた内容は以下の通り:
- 早期退去には違約金330ドルの支払いが必要
- 残りの契約期間の家賃は支払わなくてよい
何度も「本当に違約金だけで退去できるのか」を確認しましたが、「違約金330ドル」とコメントされました。そこで内見をし、町の雰囲気も初対面のハウスメイトの人柄も問題ないと感じ、とても気に入ったので契約の流れになりました。契約書には早期退去による違約金の記載がありました。
一時帰国前に長く住める家が確定し、家賃も抑えられたと安心していましたが……。
入居してから3か月ほど経ち、様々な理由から転居したいと思うようになりました。いざ早期退去の相談をしたところ、
「違約金363ドルの支払いに加えて、ボンド720ドルは返金しない」
との返答が。事前に確認していた違約金の金額も異なるのに加え、ボンドまで返金されない……聞いていた話と違うことを訴えても、契約時点でのコメントも写真に残してあると伝えても、返金はできないの一点張りでした。
違約金の金額差について、契約時点の説明では税抜きの金額で伝えられていたようです。こちらも再三確認した内容と違うと伝えましたが、変更はされませんでした。
ボンドについては、契約書に「早期退去にかかわる返却」という記載は一切無く、家や部屋の状態に問題がなければ返金されるはずだと伝え続けました。早期退去による契約破棄は違約金の支払いで賄われるはずだと説明もしましたが、なしのつぶて。
するとボンドの返金を希望する場合の条件として、
- 自分で代わりの入居者を探すこと
- 代わりが見つかるまでは家賃を払い続けること
が提示されました。
結果的に、自身の希望退去日までに代わりの入居者が見つかり、ボンドは無事返金の流れになりました。しかし、返金までに退去してから約1ヶ月ほどかかり、その対応の遅さにも不満を感じました。
体験②:ハウスメイトとの清潔感の差
実は退去を決めた理由のひとつが、ハウスメイトとの衛生感の違いでした。
- キッチンの掃除がされない
→ 使用後の鍋や調理器具が数日放置されたり、シンクには米が残ったままの炊飯器が1週間以上放置してあるなど…。この家ではこれらのキッチン用品はハウスメイト同士でシェアしていました。予備の炊飯器などはないため、仕方なく私が使う前や、キッチン周りの臭いが限界だったときに自分で洗って対応していました。
- 食べ物を放置
→ ブドウなどの果物を冷蔵庫に入れず、ラップもせずにキッチンカウンターに3〜5日ほど放置。その結果、アリの行列が玄関から家中に侵入しました。キッチンは1階にあるため、玄関からダイニング、リビングなどのスペースへと常に蟻が行進していました。(笑)またゴキブリなども日本のころに比べて圧倒的に大量に発見・退治しました。
- アリが2階の居住スペースまで到達
→ 私の部屋には入ってきませんでしたが、1人のハウスメイトの部屋にアリが列をなして侵入している様子を目撃!おそらく部屋の中でも何かを食べていたのだろうと容易に予想がつきます。
- 掃除の呼びかけに対しても非協力的
→ 家の検査のために数か月に一度みんなで掃除する機会がありました。掃除箇所の役割分担をする際に、私がすでに掃除をした場所をハウスメイトに共有しました。しかし、すでに掃除したと伝えた場所を、何故かもう一度掃除していました。ゴキブリなどが死んでいても、誰も片付けないため、毎回私が処理していました。
もちろん日本にいたときより、不衛生になる想定はしていました。しかし、これらの出来事はハウスメイトの行動によって引き起こされたものであり、文化の違いを肌で感じました。あまりに衛生感が合わない人とは一緒に暮らすべきではなかったと、学びにもなりました。
シェアハウスでの失敗から学んだこと:私の行動が招いた落とし穴
今回の二つの体験を振り返って感じたのは、「焦って契約を進めてしまったこと」と「相手の説明をそのまま信じてしまったこと」が、トラブルの原因だったということです。
一時帰国を控えていたため、現地にいない間に住む場所が決まっていないのは不安で、急いで物件を決めてしまいました。その結果、契約内容をすべて細かく確認しきれず、特に「ボンド(保証金)の返金条件」が確認されていなかったことが、後になって大きな問題に。
もちろん、やりとりの内容はコメントでスクショを取って残していました。しかし、それを有効に活用できる場面はなく、個人同士のやり取りの限界も感じました。
契約前に気をつけたいポイント:これだけは確認しよう!
同じようなトラブルを防ぐために、オーストラリアでシェアハウスを契約する際に気をつけたいポイントをいくつかまとめました。
- 契約書は必ず書面で交わし、内容をしっかり読みましょう。特に「退去の条件」「最低滞在期間」「ボンド返金ルール」は要チェックです。
- 相手とのやりとりは口頭ではなく、LINEやメッセージなど記録が残る形で行うのがおすすめです。
- 共有スペースの清掃ルールや、ハウスメイトの生活スタイル(学生か、フルタイムで働いているかなど)も事前に確認を。
- 誰が契約主で、オーナーや管理会社は誰なのか、役割分担を明確にしておくことも大切です。
- 可能であれば、最初は短期契約から始めて、問題がないか様子を見るのもアリです。
「ちょっと面倒だな…」と思っても、最初にしっかり確認しておくだけで、後々のストレスや損失はぐんと減らせます。また焦りがあるときこそ、「今この物件で本当にいいのか?」と立ち止まる冷静さが大切だと実感しました。
オーストラリアでよくある家トラブル・知っておきたいリアル事情
私の体験以外にも、オーストラリアでは以下のような家に関するトラブルがよくあります。特に初めての海外生活やワーホリの方は、最初に知っておくだけでも心構えが変わるはずです。
- 契約内容が口約束で曖昧になりがち(特に個人契約)
- ボンド返金のトラブル(返ってこない、時期が遅いなど)
- ハウスメイトとの生活スタイルの違い、清潔感のズレ
- 家主や管理者の連絡が遅い、誰に言えばいいのか分からない
- 害虫(ゴキブリやアリ)やカビなどの衛生問題
- 設備不良(シャワー、洗濯機など)が放置される
- 退去手続きや返金に時間がかかる(特に管理者が複数いる場合)
これらは「自分が気をつければ完全に防げる」というものではないかもしれませんが、事前に予想し、備えておくことはできます。後悔しないためにも、できる準備はしておきたいですね。特にワーホリや留学生にとっては、「誰に何を確認すべきか」が分からないまま話が進むことが多いため、事前に想定されるリスクと対処法を知っておくことが安心につながります。
まとめ
オーストラリアでのシェアハウス探しや契約は、日本の常識とは大きく異なります。今回私が体験したように、「急いで契約してしまったこと」や「口頭の説明だけを信用してしまったこと」が、思わぬトラブルにつながりました。
ただ、これらの出来事を振り返ってみると、防げた可能性が高いことも多かったと感じます。たとえば、契約書の内容をしっかり確認し、ボンド返金ルールが明記されていない場合はその場で聞いておくこと。内見時には、家そのものだけでなく住人の生活スタイルや清潔感にも注目すること。そして「誰が家主で、誰と契約しているのか」をきちんと把握しておくことも大切です。
オーストラリアでは、二重管理や口約束が曖昧に流されてしまうこともあります。ですが、焦らず、丁寧に、納得できるまで確認することで、多くのトラブルは未然に防げるはずです。
ワーホリや留学で限られた滞在期間を快適に過ごすためにも、家選び・契約・生活の細かなところにこそ、慎重さをもって行動していきたいですね。
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